いずみの韓国語ブログ 

TOPIKの合格に役立つ情報をお伝えします

韓国映画<ジョゼ>その女、その男の内部事情【韓国の記事】

 本サイトはプロモーションが含まれています

こんにちは、いずみです。先日も「ジョゼ」のレビュー記事をご紹介しましたが、こちらの記事もいい感じなのでお付き合いください。この先ネタバレ箇所があります。ストーリーを知りたくない方はご注意ください。

 韓国映画「ジョゼ」とは

17年前に愛された映画、いまの韓国の若者まで描いた

<ジョゼ>その女、その男の内部事情

ジョゼ ハンジミン ナムジュヒョク

 

誰かの心に人生の映画として残っているかもしれない日本の映画<ジョゼと虎と魚たち>は、田辺聖子の短編小説<ジョゼと虎と魚たち>を原作に2003年犬童一心監督が長編映画化した作品である。 当時、淡々としたジョゼとおぼろげな恒夫が数々の名場面を作り出し、日本だけでなく、韓国でも多くの愛を受けたメロ映画の一つだ。 これをリメークするというのは創作者にとっては荷が重いことだろう。

 

<最悪の一日>、<ザ・テーブル>を演出したキム・ジョングァン監督は17年という歳月と空間を飛び越えてリメークという大仕事を成し遂げた。 tvNのドラマ<まぶしくて>ですでに一度の息を合わせたことのあるハン・ジミン、ナム・ジュヒョクの二人が再び出会った。 キム・ジョングァン監督は『原作をそのまま借用するのは本人も俳優も望まないこと』だと『原作そのままの感情を守ったまま少し違う話をしてみたい』と言った。 それで誕生した映画がまさに10日に封切り予定である韓国映画<調剤>だ。 人に対する深い視線と人間愛が漂うメロとヒューマニズムの結合だ。
 

古物城を訪れた男

 

ジョゼ ハンジミン ナムジュヒョク

 

映画の中ではお婆さんと二人きりで暮らすジョゼ(ハン・ジミン)は体が不自由で誰かに会うことも、外に出ることもない。 自分だけの孤立した世界を作って暮らしてきたジョゼワールドに入城したヨンソク(ナムジュヒョク)。 二人の出会いはジョゼの事故を目撃したヨンソクが先に近付いて始まる。親切の代価を食事で返すジョゼはボンデキタン、焼いたスパムを出してやり感謝の気持ちを表示する。 アルバイトと学校の授業、就職準備を平行して平凡に過ごしていた大学生のヨンソクはジョゼが気になってたまに立ち寄る。

 

その度にジョゼは空想の翼を広げ、本当のように聞こえる話をたくさんした。 ジョゼの両親は1986年ベルリンで出会って1987年ブダペストで自分を生んだと言った。 その他にも父は警察だったとか、自分は世の中の隅々まで旅行して今はちょっと休んでいるとか。 時々理解できない話を始める。読んだ本のある一節に自分の話を加えたジョゼを、ヨンソクはいや顔なひとつせず相づちをうちながら聞いてやる。 初めて経験する愛の特別さを大切にしたい女とこんな女に特別な感情が出来てしまった男は知らぬ間に少しずつ親しくなる。

 

ジョゼ ハンジミン ナムジュヒョク

 

TVも携帯電話もなく滅びていく撤去村に住んでいるジョゼが世の中とつながるよりどころは本だった。 誰が捨ててしまった本をおばあさんが拾ってくれば手当たり次第に読んで想像力を発揮した。 だから自分でつけた名前ジョゼもまた、フランソワ・サガンの小説が好きで生み出した。

 

閉じこもりの独りぼっちで気難しい性格だが、本から出てきてもっと明るくて広い世界を探検できるようになる。 ヨンソクの助けで家も直して読みたかったサガンの本も読んでみる機会を楽しむ。 死ぬまでできないと思っていた遊園地デートもして、魚も見に行った。

 

しかし二人の愛には「障がい」という高い壁が出来ていた。 最初から分かっていたというようにジョゼはヨンソクに別れを通告する。 ジョゼの古物城は片方が合わない靴のように危うく見えるが、履いている人は何の不便さもない。このような場面はすきま風がひどい寒さに慣れたジョゼとこれを我慢できず、ストーブを焚くヨンソクの行動で発火される。 華麗だった花が散って紅葉が落ちる季節の循環のように。 花が美しく静かに死んで行くが悲しむ必要はないと確約する。 再び春が来る日を期待して小さな希望を抱いてみてもいいから。

 

限りなく韓国的な設定

  

ジョゼ ハンジミン ナムジュヒョク

 

<ジョゼ>はどうしても原作と比較されるしかない。 日本版ジョゼが料理に素質があり本が好きだったなら韓国版ジョゼはインスタント食品で用意した食膳が極めて現実的な状況を伝える。彼もそうであるなら小説と映画、韓国と日本の状況、そして17年という歳月を埋めることが容易ではないだろう。<ジョゼ>は韓国式脚色で力を加えて、今日の大韓民国を生きていく若者の悩みと愛をくまなく探ってみる。 終わりが見えても後悔なく愛したロマンは完全に胸の中に残って静かに息をしている。 

 

地方大学、就職準備、インターン、アルバイト、恋愛、結婚そのどれも思い通りにならないヨンソクの障害物は足が不自由なジョゼとは比較できないまた別の山だ。 だからだろうか。いい加減に慰めたり、助けず、叙情的で淡々と描き、そっと流れる。 日本版が恒夫(妻夫木聡)の視線でジョゼを神秘的に扱ったとすると、韓国版はジョゼは全知的な視点を借用してキャラクターの扉がしっかり埋め尽くされている。 

 

代わりに事物にも温もりを投影するカメラの遅い視線が印象的だった。世の中に出ることを恐れるジョゼのように古くてほこりに覆われた小部屋の片隅に積もっているものの時間が各自の事情を持つように見えた。古紙を拾って生活するおばあさんが町内のあちこちで拾ってきたあらゆるがらくたはジョゼの家で生命力を得る。 視力検査表はジョゼの座高に合うように作られた昔の食器棚のカバーとなってくれる。 折りたたみの日傘は食膳に車輪を付けて移動を便利にし、アイロンはフライパン兼用になった可愛いアイデアも目立つ。

 

そしてロケーションハンティングにかなり凝ったようだが、古くてこじんまりした平屋のジョゼの家から、古本屋、古物商、遊園地、アクアリウム、スコットランドまで。 空間が与える感じを繊細に引き出した。 そこにグーグルアースを利用した多角化された空間拡張は感情の振幅を助ける新しい起爆剤として作用する。

 

元記事と画像の出所:(ohmynews)

 

スポンサーリンク

 

 


[ジョゼ] 2次ティーザー

スパムを焼いていたのはやっぱりアイロンだったんですね。アイロンみたいに見える調理器具があるのかと思いました。でもフライパンと兼用って服が汚れそうですけどね。
ジョゼのお城にはほかにも不思議なものがいっぱいありそうです。一緒に居たら疲れそうだけど、ヨンシクでなくてもジョゼにはなぜか魅かれます。

ラジオ番組「ボリュームを上げて」に出演した時にジミンさんがジョゼに向けて何かメッセージをと言われ「閉じこもらずに外の世界に出ていたら嬉しい」と答えていました。外に出たら傷つくことがあるかもしれないけど、空想の世界に閉じこもってひとりで生きるのは寂しすぎますね。

ついに田辺聖子さんの小説「ジョゼと虎と魚たち」も読み始めました。文庫本に収録された短編小説の中のひとつで、原作はわずか30ページ弱でした。36年前に書かれているのにジョゼのツンデレぶりにはまったく古臭さを感じません。艶っぽさのある小説もお勧めです。

 

 

 

f:id:subiizumi:20200719100555p:plain
いずみ

最後までお読みいただきありがとうございました。


スポンサーリンク
 
 
応援していただけると嬉しいです
にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村